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神田雑学大学講演抄録平成19年8月10日 第371回



秘境玉川温泉 北投石の正体

講 師 日置 光夫

エコ開発株式会社(代表取締役)



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はじめに

日本にもあった研究

日本の研究は薬石から

発掘されて日の目を見た研究論文

天然放射線とガス体について

有益な天然放射線、危険な人工放射線

天然放射線を出すモナズ石


講師:日置光夫さん

はじめに

3年前にこの席で、医療に放射線を使うホルミシス効果という研究が進んでいることをお話しましたが、今日はその後の展開状況をお話しようと思います。




日本にもあった研究

 ホルミシスという言葉は1982年にアメリカで発表された論文で初めて使われた用語ですが、それより30年前にホルミシスという用語を使わないまでも、北投石の医学的解明というテーマで日本独自の研究が進んでいて、立派な臨床治験論文も発表されていました。


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日本の研究は薬石から

 鉱物というと金属系の岩石を意味しますが、砿物と書くと違った意味を持ちます。 1578年、明で本草綱目という東洋医学の集大成の本が編纂され、日本にも入ってきて徳川家康も愛読したと言われていますが、その中で岩石についての東洋医学の研究が可なり入っています。 当時、日本でなされた研究の大半は薬草を中心とする植物であって石の研究は余りされていませんでした。

 温泉の湯治効果をどう評価するかという事から昭和30年代に河合峻作先生という医学博士が精力的に天然放射線の医療効果の研究をやっておられ、特に玉川温泉について、それまでに発表された数多くの研究論文を整理した上、テーマを北投石に絞って天然放射線の医学的効用を臨床で確認するに至りました。

 ところが昭和30年代、日本では広島、長崎の放射能被害が強力なアレルギーになっていて、世間一般は元より、医学会でも仲なかこれを許容する空気がなく、折角の論文が日の目を見ずに埋もれてしまった経緯があります。

受講生の様子

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発掘されて日の目を見た研究論文

 化学でなく、岩石を科学して医療に役立てようと100名近くの全国の開業医が集まる研究機関、「日本砿物エネルギー研究会」という組織があります。  ここで最高顧問を務められている工学博士、野中順治先生は理学博士と農学博士の学位を学位を併せ持つ岩石の研究家で、多分日本でも最右翼の専門家だと思いますが、この先生が、関係者や周辺情報を頼りに苦労の末、東大の図書館に埃を被って埋もれていた河合論文を捜し出し、研究会の主要資料として臨床により天然放射線の医療応用への技術開発を進めています。

玉川温泉の湯治効果の正体が泉源の北投石にあることは明治の頃から分かっていることですが、河合論文で北投石の正体が一般に言われているラジウムではなく、トリウムであってトリウムなら同質の岩石にモナズ石というのがあって、天然記念物で持ち出せない北投石とは違い、入手可能,従って医療応用にも使えるという結論になったわけです。

よく街中で見かける広告にラドン温泉というのがありますが、ラドンはラジウムの放射線がガス化したもので、街中にラジウムの原石であるウランがそんなにあるとは思えませんから、これは実態を反映しない誇大広告のような気がします。

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天然放射線とガス体について

 放射線とガス体の違いについて知っておく必要があります。原子は核分裂を繰り返してどんどん崩壊していきますが、原子量が半分になる半減期というのがラジウムの場合、1622日なのに対し、ガス体のラドンは僅か4日弱です。  トリウムの場合は半減期が3800万年なのに対し、ガス体のトロンになると僅か52秒という小さな数値になってしまいます。

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有益な天然放射線、危険な人工放射線

 一般に放射線はこわいという認識がありますが、放射線には天然放射線と人工放射線があって、ラジウムやトリウムのような天然放射線の場合、一定量を越さない限り、微量放射線なら害があるどころか医療に対しては確実に治療効果が確認されています。

 人工放射線がなぜ怖いかというと、例えばウランに中性子をぶつけて連続的に核分裂を起しますと大変なエネルギーが発生します。これが原子力発電のパワーの元になっているわけです。その時に生まれる新しい原子がプルトニウムですが、これはもともと自然界にないもので、人間が人工的に核分裂を起すことによって出てきた全く新しい物質です。

これは大変な害があって骨髄などに入ってしまうと造血機能を狂わせ、白血病のもとになります。原子力発電所から破棄されるプルトニウムの処理が大きな問題になっているのはこの為で、マスコミで騒がれていることは皆さんご承知の通りです。同じ有害なもので水に溶けているトリハロメタンというものがあります。

 これも本来は自然界に存在しないもので、いろいろな化学製品が複合されて派生したものです。このために水道水の浄化ということが重要な問題になってきます。産業廃棄物に含まれるダイオキシンという物質も同じく人工的に出来てしまった物質で、消滅することがありません。

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天然放射線を出すモナズ石

 今日お話するのは、あくまでも天然に存在する放射能のことであって、ラジウムとかトリュウムについてです。これらの天然の放射能は概ね花崗岩地帯の中にある岩石から出ています。昔から病気が治る石として経験的に大事にされていた石は、多分天然放射線が出ていて、それが病気に効いたのだと考えられていますが、河合博士はその石の本体をモナズ石と考え、具体的にどのように効くかを臨床治験で確認したわけです。日置光夫さん


日本でモナズ石が出るのは福島県の一部と岐阜県の中津川地方の一部です。この岩石はモナザイトと称し、世界各地に散在していますが、美濃焼きの産地、岐阜の釉薬屋さんが モナザイトの性能に眼をつけ、加工、特に地場産業の強みを生かしてセラミックスの焼成に道を開き、既に製法特許を手にしております。日本砿物エネルギー研究会がこのセラミックスを使って治療用具の開発に乗り出し、医療の現場で天然微量放射線による病気治療に道を開き始めています。

 一例として今日ここにモザナイトを使った放射線入浴器材をお持ちしましたが、何故、入浴器材にしたかと云いますと放射線を遮断する物質は鉛に次いで水が最適で、浴槽に 入れたモザナイトから出る放射線はお湯で遮断されるとラドン、トロンといった原子量半減期の短いガス体になって体内に蓄積されることなく、完全無害となって療養に使えるからです。

 河合博士によると、モナザイトの放射線で生活習慣病の根源である高血圧の改善、動脈硬化の予防等が確認されており、その医療原理は放射能で間脳を刺激し各種ホルモンの分泌を活発にすることで細胞の新陳代謝を促進し、若さを蘇らせ、長生きの秘訣になると結論付けております。

 言わば、玉川温泉の湯治療法を家庭の浴槽で再現させることにしたわけですが、日本ホルミシス研究の先駆者である岡山大学の山岡博士によると、放射能泉の効能は気管支喘息、 高血圧症、変形性関節症、糖尿病、慢性関節リウマチ、神経症、腰痛、慢性胃炎、動脈硬化症に及ぶそうですから、モナザイト製品もこういった症状の改善に貢献することは間違いありません。

 同じモナザイトで焼成した小さなコイン型のセラミックスを特殊な構造に仕立てますと 画期的な自動車用省エネ器具になることも確認されており、既に試作を完了していますので、どんな物かご覧に入れて今日のお話を終わらせて頂きます    終わり
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センターラインで両端にお花の絵

文責:日置 光夫  写真撮影:橋本 曜  HTML制作:上野 治子

本文はここまでです

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