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平成19年10月26日
神田雑学大学定例講座NO381

画像にタイトルと講師の名前を表示。元気はつらつ愉快なエアロビックス、講師、山口公子



講師の山口公子氏プロフィル

「神楽坂がん子」の名前で地域のお仲間の健康増進のため活躍していますが、実は公認スポーツエアロビック指導員です。同時にメンタルケアスペシャリスト、がん患者生活コーディネーターでもあります。MPO法人粋なまちづくり倶楽部、神楽坂まちづくりの会の主要メンバーであり、また10月5日の講座「神楽坂は粋でこんなに面白い」の講師をされた山口則彦さんの奥様です。

はじめに

「元気で健康でいたい」――
誰でもそう思っています。「運動の大切さはわかっているけれど・・・」と続けることができない貴方、音楽に合わせて楽しく歩くことから始めませんか。

皆さん、エアロビックをやったことがある方はいらっしゃいますか?あ、お一人いらっしゃいました。
では、ラジオ体操をやったことがある方は?全員やられたことがありますね。
考えたら、エアロビックもラジオ体操も同じようなものです。両者に共通することは音楽に合わせて体を動かすということです。ですから今日の講座は難しく考えないでください。

エアロビック(aerobic)は「有酸素の」という意昧なんですね。
エアロビクスとはエアロビック・エクササイズ(aerobic exercise)の略語で「有酸素運動」と訳されていますが、どなたにも元気な生活を送っていただくために、スポーツ科学的見地からプログラムされた健康増進運動です。
スポーツは体力の向上だけでなく、体を動かす爽快感・達成感・知的満足感・連帯感といった精神的充足感も満たされるなど、心身の健康に大きく影響を与えます。

マラソン、水泳、サイクリングなど、ゆっくり息を吸って、ゆっくり吐き出す運動が有酸素運動です。では反対に無酸素運動とは、瞬間に息を止めて行う一瞬の運動――たとえば短距離走、空手の正拳、体操競技でピタリと技を止める――などのことです。

空気を深く吸い込んで、静かに吐き出して酸素を取り込むと、体の脂肪を燃焼させてくれ、今話題のメタボリックシンドローム改善に役立ちます。脂肪を燃焼させ筋肉に変えて太り難い体にします。筋肉マンになるわけではなく、筋肉を使うことにより骨をカバーする、しなやかな強い筋肉になるという理解をしてください。高齢になると転ぶのがもっとも怖いことです。骨折すると筋力が弱まり回復力が衰えます。うっかりすると、すぐ車椅子の生活になります。有酸素運動によってしなやかな筋肉を作ることは、転倒防止、寝たきり防止の効果があるのです。

これを今日のお土産にお持ち帰りください。(リズミカルなBGM・・・・・・♪)

では酸素を上手く取り込むにはどうしたらいいか――
それは腹式呼吸という方法によります。
皆さんの毎日の生活の中では、呼吸はほとんど鼻、または口からの浅い胸式呼吸です。

講師の指導で身体を動かす受講生、


腹式呼吸では、鼻から息を吸って、ゆっくり口から吐き出します。
まず、鼻から吸ってください。それを口から吐き出します。
お腹に手を当ててください。息を鼻から吸ったらお腹が膨らむかどうか、口から息を吐き出したらお腹が引っ込むかどうか、やってみてください。
どうでした?お腹が引っ込みましたか?
最初からお腹が出ている方はわからないですが、多少の変化はありませんか?(大笑い)
あとは、お家へ帰ってからやってみてください。寝た姿勢でやるとよくわかります。今日は、ずーっと腹式呼吸をやっていただくわけですが、最初は口から吐くことをから始めると良いです。息を吐けば自然と鼻から吸えます。運動中は音がするくらい勢いよく吐いてください。

質問

腹式呼吸について、子供の頃からの疑問があります。
息を鼻から吸うと、空気は当然肺に入りますね。それで何故腹が膨れるのか?また、腹に溜まった空気を口から吐き出すと、肺に入った空気は何処へ行ってしまうのか?

答え

いいご質問です。
空気は鼻からゆっくり吸い込みます。すると肺が空気でいっぱいになり、内臓を圧迫するのでお腹が自然に膨らみます。それを吐くときは圧迫された内臓を押し戻しながら、肺に入った空気を静かに口から出すのです。この方法を繰り返すと肺の活動が活発になり、新鮮な酸素を抱いた血流が体の隅々まで浸透し、細胞の働きが活性化することになります。簡単にいうと「深い静かな肺の呼吸」でしょう。

急に走ったりして苦しくなったときは、さっき行ったように息を大きく吐いてあげると気分が落ち着いて楽になります。それでも辛い時は、中腰になって膝に手をあてて3回くらいやってください。ぐっと楽になります。

ここで、自分なりの健康法をおやりになっている方にお伺いします。

Fさん。

通勤時に駅の階段をなるべくゆっくり登ることを心がけています。1日に1時間以上歩くようにしています。歩きながら1,2,3,4,5で鼻から息を吸い、6,7,8,9,10で口から吐くようにしています。また仕事がビルの管理業務ですから、7階までの見回りは階段を歩きながら行います。

Sさん。

博物館や郷土歴史館を歩いて訪ねることを行っています。数年前に脳卒中にかかったのでリハビリを兼ねてやっています。しかし、杖は未だに手放せません。

(講師のコメント)

歩くことは大変いいことです。しかし、ただ歩くだけではなく、Walkingの歩き方で大股で踵から着地し、次に進むときは地面を蹴る。その結果呼吸も深くなり、全身運動の成果が得られる。今日は腹式呼吸をよく理解していただいて、明日から実行してください。念のため申し上げますが、腹式呼吸は「ため息」ではありません。イライラしたときも深呼吸が有効です。3回深呼吸をすると気持ちが治まります。寝る前でもお風呂上りでもやってください。

スポーツをなさっている方はいらっしゃいますか?

Mさん。

水泳をやっています。今(78歳)まで泳げなかったから、スイミングスクールに入ってクロールを教わっています。

(講師のコメント)

水泳も有酸素運動の上、浮力を利用しますから膝や腰にも無理のない全身運動で、素晴らしいエクササイズです。でも現在、団塊の世代向けにスポーツクラブやフィットネスクラブが盛んにメンバー勧誘しますが、経営上の問題もあって、若くて体力のある会員のみを対象にしたクラス編成が殆どです。エアロビックとはこういうもんだばかり、ピョンピョン飛んだり跳ねたりしますから、シニアの方はとてもじゃないということになります。有酸素運動であるエアロビックは、アメリカNASAの宇宙飛行士の健康法として考案されたと聞いています。中国の太極拳もゆったりとした有酸素運動ですね。


講師と受講生がリズムに乗って身体を動かしている


今、バックにリズミカルな音楽が流れています。運動は音楽がかかると、楽しくなります。1,2,3,の号令でなく、音楽がかかると無意識に体が揺れてきます。音楽とともに楽しく動けるということを、今日は体験していただきたいと思います。雑学大学の皆さんは博識ですが、最初から毛嫌いしてしまうと何も始まらない。自分が知らなかった世界を知るという気持ちで、まずは体を動かしてみましょう。

では、座ったままでストレッチをやってみましょう。
まずは、体を楽にして朝起きた時みたいに、呼吸は深く、腕を伸ばしていきます。息を静かに鼻から吸って・・・・・ゆっくり口から吐きまぁーす。自分が気持ちよく伸びるところまで自然に伸ばす――。ハイ、結構です。

肩こりの方いらっしゃいます?
5,6人が手を挙げられました。
では肩をほぐしましょう。

まず、鼻から息を静かに吸って、口から吐きながら頭を下げましょう。頭の重みで自然に下げます。吸って・・・・・吐きながら左に右、後ろと頭の重みで傾けまぁーす。
(――と、実技を伴った有酸素運動が約90分にわたって展開されるのでした)

ストレッチで大切なことは「弾み」「反動」をせず、ゆっくり気持ちよく伸ばすことです。従って、痛いのを無理して押すようなことも逆効果です。呼吸をしながらリラックスして行うことです。

「元気ビクス入門」

山口 公子先生のレポート
―健康エクササイズ『元気ビクス』を推進しています―

私たちの運動では、高齢化社会を迎え、自分の健康は自分で守り、一生自分の体力で歩き生活し、転倒や寝たきりの防止を目指したいものです。1970年代頃からは「生涯学習」「生涯スボーツ」が社会的風潮となり、昨今では生活習慣病予防の意味においても、日常の運動の必要性が声高に叫ばれています。勿論どなたでも年はとりますが、老化に歯止めをかけるか、拍車をかけるかはご自身の選択に任されることになります。

しかし運動習慣を生活の一部にしている人はまだまだ少ないのが現状です。自分では運動することの必要性を感じていても、それが適切な指導のもとに行われないと長続きしません…何故でしょうか?

それは辛くて楽しくないJからです。健康維持に最適なエアロビクスも、日本ではその競技から受けるアクロバティックで激しい動きのイメージが、多くの方面に誤解を与えています。街のスボーツクラブやフィットネスジムでも、その経営上の問題からか、若くて体力のある会員のみを対象にしたクラス編成がほとんどであるのは、とても残念なことです。

私の『元気ビクス』のプログラミングでは、音楽のリズムに合わせて歩くことを中心に、シニアの方、日頃から運動不足の方にも安全で無理なく、かつ楽しい動きを多く取り入れています。その結果、無意識のうちに脂肪を燃焼するとともに、筋カとバランス能カを向上させることができます。いつの間にか「動いちゃった!」「動けちゃった!」ということから体を動かす楽しさを実感し、できるだけ多くの方に運動習慣を身につけるためのきっかけ作りにしていただくことを、その目的としています。

病気になってから治療するより、日頃から病気にかからない体づくりを…いつも体を動かすことを生活の一部にして、健康に年齢を重ねたいものです。いくつになっても自分の体カで明るく生活できることの幸せを願って、今日まで『元気ビクス』を皆さまと一緒に推進して参りました。これまでに参加された多くの方々からのご好評と、その主旨へのご賛同をいただいています。



文責:三上卓治
会場写真撮影:橋本 曜
HTML制作:和田節子


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